【被災時における流通業の対応が市民に勇気を与える】 | 2011/03/11(Fri) 3月11日(金)14時46分頃、マグニチュード9を記録する東北地方太平洋沖地震が発生しました。被災された方には心からお見舞い申し上げます。同時に災害復興がスムースに行われるために、流通業界としてできることを速やかに行動することが重要ではないでしょうか?震災当日、首都圏では公共交通機関は麻痺し、職場から帰宅できない「帰宅困難者」は東京都の公共施設で一夜を明かした方だけでも約9万4千人にも及びました。自分も、その中の一人となったわけですが、このような緊急事態のなか、東京都中央区にある銀座三越では閉店後も、帰宅困難者に対して9階の銀座テラスを開放し、飲料水、非常用食品を無償で配布しながら、支援活動を行いました。さらに、震災の映像をご覧になり、また余震が続くことによって、体調を崩される方もいらっしゃいました。そんな時は胸に看護師の名札を付けた同店のスタッフが声をかけながら応急措置をするなど、帰宅困難者の不安を少しでも解消しようと献身的なサポートを行っていました。フロアには大型テレビを設置し、被災地の情報や首都圏の鉄道運行状況をリアルタイムで伝わるよう、配慮もなされ、都営地下鉄が運転を再開するなど状況が変わると、直ちに店内放送においても告知するなど、「帰宅困難者の視点」にたった情報提供活動を行っていました。銀座テラスには授乳室やオムツ交換室も設置されているため、子供連れで避難している姿も多く見られました。流通業界、なかでも地域の核となる店舗は単にモノを販売する場としてだけでなく、ライフラインの拠点でもあること。その役割をいかんなく発揮するスタッフのみなさまの姿は、一消費者として感謝するとともに、改めて被災時の流通業界のあるべき姿であると実感しました。「店は地域の生活者のためにある」。そんな言葉を改めて感じながら、銀座テラスを後にしました。今回の同店における対応は、都市部で被災した際、流通業界として何ができるかを示してくれたモデルケースと言えるのではないでしょうか? | |
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